このたびは、お忙しい中 百姓隊「和やさい展」にご参加いただき、心より関係者一同を代表いたしましてお礼申し上げます。
思い起こせば伝統野菜と関わり始めたのは、今から13年前の「佐土原ナス復活」に携わったことが始まりでした。
そこから農家の使命として、立ち遅れた宮崎県の伝統野菜事情を憂い、自分が宮崎県伝統野菜のトップランナーとして牽引していこうと考え試行錯誤しながら今に至っております。
今回は宮崎県の伝統野菜だけではなく、全国の伝統野菜も仲間に入れ、世界遺産となった「和食」文化を支えるべく「和やさい」と表現も変え見て・食べて・触って・聞いて楽しめる新しい形の伝統野菜展・和やさい展となりました。
今回の開催を始まりに2,3回と続けていけるような展示会にしていくつもりです。
これからも皆様方のお力をお借りしながら、宮崎県から日本全国に、伝統野菜の素晴らしさを発信し続けていくつもりです。
これからも末永いお付き合いのほどよろしくお願いいたします。
株式会社 百姓隊 谷口寛俊
◆「和やさいディナー」と「和やさい会議」トークセッションの様子です。
◆「和やさい会議」トークセッションの動画です。
○ファシリテーター:販売戦略コンサルタント 高峰由美氏
○宮崎大学教授 明石 良氏
○ベジフルビューティアドバイザー 前田有紀子氏
○テラスマイル 代表 生駒祐一氏
○百姓隊 代表 谷口寛俊
◆黒木康太さんの和やさいの写真と和やさいのアート展の様子です。
◆「夏の和やさいでインナービューティ」セミナーの様子です。
○講師:ベジフルビューティアドバイザー 前田有紀子さん、ジュニア野菜ソムリエ 藤䉤志保さん
1月22日に福岡県博多のホテルオークラ福岡にて開催された(株)国分さんの
食品展示会に百姓隊も宮崎県から出かけていきました。
農産品ブースに今出荷中の宮崎県及び全国の伝統野菜11品目と伝統野菜の
加工品など7品目を持参し展示しました。当日は、約1000名近くの来場者が九州
地区はもちろん東京や大阪などからもご来場されていました。
当社のブースも大人気でこれからの消費者(小売業者・外食産業・ホテル)などが
こだわり食材として強く『伝統野菜』を望まれている確信しました。
これからますます伝統野菜の復活と販売に力を入れるつもりです。
伝統野菜 『紫ししとう』
伝統野菜 『白長なす』
春の後半に定植した色々な伝統野菜が6月中旬ごろから続々とお目見えしはじ
めました。7月に入ってから薩摩から伝わる「白長ナス」や「紫ししとう」など珍しい
作物もドンドン採れはじめました。この伝統野菜は、食べてみるとたしかに味が濃く
素材にあまり味付けをしなくても食べられるくらい旨いですよ。
宮崎伝統野菜『佐土原ナス』
伝統野菜『地這い胡瓜』
四月から連休までは、夏野菜の伝統野菜の定植で忙しい毎日です。
今年は、『佐土原ナス』・『地這い胡瓜』・『モーウィ胡瓜』・『相模半白胡瓜』
『黒イボ胡瓜』・『餅キビ』・『しゃくしな』など色々な伝統野菜を作付しました。
餅とうもろこしの種
餅とうもろこして知ってますか?
宮崎県では『餅キビ』と呼んでいますが、もともとアジアのモチ文化が生んだ中国からきた伝統トウモロコシ。黒粒、黄粒があり今ごろの甘いとうもろこしと比べると別物ですが一度食べると癖になる味でほのかに甘く柔らかい実を蒸かして食べると腹持ち良くとっても美味しいトウモロコシです。
今月末くらいから作付が始まります。夏ごろ店頭にお目見えしますよ・・・
『伝統野菜糸巻き大根』と『市販の大根』
『伝統野菜糸巻き大根』と『市販の大根』カット断面
市販大根の果肉を削った場合
糸巻大根の果肉を削った場合
今回は、私が前から気になっていた事に挑戦してみました。
伝統野菜という野菜は、成長に普通の野菜より多くの時間がかかると言われています。確かに現在の市販されている野菜や種子はF1品種と言われ大手の種子会社が子孫が残せないように何らかの遺伝子操作をされた種から出来ている野菜です。
これは、現代の社会が必要とする作物の成長スーピド化、サイズの均一化など見てくれを重視した栽培方法が産んだ味や旨味の切り捨てから出てきた結果だと思います。
そこで今回は、自社の畑の糸巻き大根と市販の大根の細胞を切り取り比べてみました。確かに糸巻き大根は、持つてみるとズッシリとした重量感があり堅い触感でした。それにくらべ市販の大根は、軽く触感は柔らかい感じでした。そして一番肝心な中身の果肉ですが市販の大根は、果肉をほじくって数秒もしないうちに水分が滲み出てきました。糸巻き大根の方は、果肉が堅くしっかりしており果肉をほじくっても水分の滲みはありませんでした。これは今の野菜がどれも急成長で育つように出来ているので中の細胞が成長スピードに付いていけないで荒くなり水ぶくれ状態で育ってしまうからではないかと思います。
本当に美味しい野菜が食べたければじっくりと時間をかけ味と旨味をぎゅっと凝縮した伝統野菜ではないでしょうか 。今の世の中あまりにもクーロン野菜が多すぎて本物の野菜が少なすぎます。
これから『本物野菜』としての伝統野菜をどんどん世の中に出していこうと思います。
百姓隊 谷口寛俊
宮崎伝統野菜『糸巻き大根』生産風景
みなさんこんにちは、百姓隊の谷口です。
今回から伝統野菜というタイトルで自分達の思いや生産・加工・販売活動などすべてに渡り皆さま方とお話や情報交換などが出来ればいいなと考えております。
今回は、自分が何故伝統野菜の大切さ、貴重性などに気づいたかをお話しようと思います。
最初に、宮崎伝統野菜について関わったのが『佐土原ナス』でした。
宮崎に伝統野菜という野菜がどのくらいあるのは調べていたら、ちょうど宮崎県総合農業試験場の副場長をされていた富永さんがタキイ種苗さんから依頼されて地方野菜大全という本を書かれているのに気づき、すぐご自宅にお電話をしてお会いしてからが始まりでした。
ご自宅でお会いするとすぐ、「昔から現存する”佐土原ナス”の復元をするから一緒にやらないか」とお声をかけていただいたのが始まりでした。
それから最初に試験栽培をされていた宮崎佐土原ナス初代会長の住吉の外山晴英さんと私が初代事務局長としてメンバーを募り、10名ほどで生産開始したのが平成14年ごろだったと思います。
最初のころは、捨てるナスが多くてみんな苦労しました。また、スーパーで販売会をさせていただいてもみんなに認知されていないので売れなく安くでしか売れなかったことを思い出します。
また、当時生産者メンバーと一緒に熊本県の農業試験場に伝統野菜の「熊本赤ナス」の視察に伺った時に熊本県の担当者から「熊本の赤ナスは宮崎県の佐土原ナスが親でルーツなんですよ」と言われ驚き、更に次の一言が私の伝統野菜との関わりを深めました。
「熊本県も一生懸命伝統野菜の保護に取組んでおります。もちろん宮崎県の皆様方も一生懸命に取組んでおられるんでしょう」と言われたとき正直今からですとは言えず恥ずかしい思いをしたことが原因でした。
それから宮崎に帰り、外山さんと一緒に県総合農業試験場に熊本県の現状などを報告し、力をかしていただけないかと相談したら「費用対効果の面や職員の人数などの面で難しいので無理」と言われ、それじゃ自分達で宮崎県の植物遺伝資源の保護と伝承に取組むしかないなと、伝統野菜の世界に入っていつた次第です。
この世界は、奥が深いのでやればやるほど面白いですよ。
百姓隊 谷口寛俊